特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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情報の質・量を拡充し 統一的なイメージで発信

 東海大学がウェブサイトによる情報発信を始めたのは1996年だ。インターネットの急速な普及に伴い、各学部・学科や付属高校などが独自にプライベートサイトの開設を進めた。法人側も当初はこれを奨励したが、その数が増えるにつれ、更新がほとんど行われないサイトがあったり、イメージの統一が図れなかったりという問題が浮上した。そこで、2005年、常務理事会が、ウェブサイトの全学的なリニューアルを決定。約5500ページを書き換え、ユーザビリティーの向上、メニューの統一などを図った。
 それでも、各学部・学科にプライベートサイトの運営を委ねたままだと、大学のイメージにふさわしくない内容や文体、思い込みによる記述などが散見されるという問題が残った。そこで、2008年4月、東海大学、北海道東海大学、九州東海大学の統合を機に、法人の広報課が一元的に管理するオフィシャルサイトを大幅にリニューアルし、学部・学科の詳しい情報も発信することにした。
 広報課は、オフィシャルサイト全体のイメージ統一と、情報の質・量の向上を図るため、2008年度から3年かけて学部・学科紹介ページの一新を進めている。高校生に学部・学科内容を説明し、東海大学への関心を高めてもらうため、フラッシュを使った「フィールドゾーン」を設けるなど、視覚に訴えかける工夫を凝らしている。すでに20学部中11学部の制作が完了し、3学部が制作中だ。
 篠原課長は、「広報課主導でオフィシャルサイト内の学部紹介ページを一新している。広報課の知らないところでウェブサイトによる情報発信はさせないという考え方だ」と説明する。
 旧東海大学の各学部・学科にはかつてプライベートサイト構築を奨励した経緯があるため、オフィシャルサイトからリンクしているが、旧北海道東海大学と旧九州東海大学の計6学部のプライベートサイトとはリンクしていない。
 ウェブサイトは一元化したが、広報課の負担はあまり増えていないという。それまで使っていたサーバー環境や運用体制などをそのまま使える形にし、職員の負担が増えないように工夫したからだ。ウェブサイトへのアップといったデジタル作業はサーバー会社に委託し、広報課の担当者2人が担うのは、記事の確認や掲載する場所の確定などアナログ作業のみだ。

写真
広報課が作成した学部紹介ページ。フラッシュを使った「フィールドゾーン」で学部への関心を高め、より詳しい内容へと誘導を図る。

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