特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 19/55 前ページ 次ページ

国公立大学への志願状況

 国公立大学の志願者総数は、47万2152人(2月3日現在)で、募集人員に対する志願倍率は前年同時点の4.56倍から4.72倍へと上昇した。2010年度入試の国公立大学の志願概況を見てみよう。
 国公立大学志願者数は、前年同時点から約1万6000人増えている(確定志願者数は2月19日発表)。センター試験の平均点がダウンしたにもかかわらず、志願者が増加した最大の要因は、不況による国公立大学の人気であろう。前期日程で前年度から約1万2000人、後期日程でも約3600人増加している。後期日程ではここ数年、志願者の減少が続いていたが、2010年度は難関大学の後期日程廃止・縮小の動きが一段落していることに加え、例年以上に粘り強く後期日程の出願を考えた受験生が多かったことが、志願者の増加につながったと思われる。
 2010年度入試は公立大学の志願者増がめだつ。中でも、医療系の単科大学、地方の経済系や工学系で志願者が大幅に増加している。公立大学では5教科7科目を必要としない大学も多く、これが志願者増につながっているものと考えられる。 国公立大学全体では、この時点で130大学341学部が2009年度の最終志願倍率を超過している。図表4は、前期日程で志願者が増加した大学をまとめたものだ。

▼クリックすると拡大します
図表4:国公立大学・前期日程の志願者が増加した上位10大学・学部

 センター試験の難化を受けて、受験生が手堅い出願に変更し、持ち点を生かした動きになったこと、さらに、地元の国立大学の合格可能性が低ければ、近隣県などの公立大学へと、地元エリアで完結する志願状況になったと思われる。いわば、受験生の強い国公立大学志向、地元志向を裏付ける結果となった。


  PAGE 19/56 前ページ 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ