特集
鷲尾雄慈

わしお・ゆうじ

教職歴25年。新潟県立国際情報高等学校進路指導主事、新潟県教育庁高等学校教育課指導主事、新潟県立村上中等教育学校教頭などを経て、2009年度から現職。特色GPの開始時からGPプログラム事業での選考にかかわる。

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[テーマ2] 現状から大学の課題を探る

高校教員のオピニオン2

教育活動のトータルな成果として
就職状況を重視


新潟県立新潟南高等学校教頭 鷲尾雄慈

将来を考えたうえで志望校を選ぶという進路指導が浸透した今、 志望校選びに影響力を持つのはどのような情報か。進路選択・指導の状況を聞いた。

職業や学問から志望校を選択

 2000年から段階的に始まった「総合的な学習の時間」を契機に、高校での進路学習は一気に広まり、この10年で定着した。将来、どのような職業に就きたいか、大学で何を学びたいかを考えたうえで、大学・学部・学科の調べ学習をする。志望校の候補に挙がった中から、入試難易度と自分の偏差値を照らし合わせて絞り込む。入試日も考慮して、最終的に受験する大学を決める。この進路指導の過程は10年間、変わっていない。
 その結果、生徒は就きたい職業や学びたい学問を考えて、志望校を選ぶようになった。例えば、「新潟大学だったらどの学部でもいい」という生徒は、よほどのことがない限りいない。
 進路選択に近年、変化が見られるのは、受験校の数だ。経済不況の影響があり、私立大学専願者でも受験するのは5、6校が標準だ。国公立大学志向は相変わらず強いが、あまり遠方の大学を選ばなくなった。入学後の生活費もさることながら、受験費用の問題があるからだ。
 私は、生徒の精神的・体力的な理由から、「首都圏の私立大学を受験する場合は2泊3日を2回まで」と指導する。入学手続き締め切り日を考慮して、志望順位もあらかじめ決めておくように、生徒と保護者に伝えている。


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