特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校生に選ばれるために必要な認知度の向上

 受験生が地元中心に志望校を選んでいることを考えると、特に地方の大学は地域や近隣大学との連携をいっそう強化すべきだろう。
  審査員を務めた特色GPの報告を見ていると、地域を巻き込んだ活動には大学の認知度を向上させる効果が出ている。空き店舗が目立つ商店街の活性化を考えたり、子ども向けのフェスティバルを開いたりといった活動は、多くの大学が取り組んでいる。それが、地域の人々が心待ちにするほどの活動になれば、認知度は高まる。学生に企画や運営を任せれば、効果的な教育活動にもなり、その生き生きした姿を地域の人々に見てもらうこともできる。
  近隣の大学と連携して教育活動や研究を行い、それらの成果をフォーラムなどを開いて共同でPRすることも、認知度アップに有効だろう。その大学を志望校の検討対象にしていない高校生や多くの高校教員の目に留まるチャンスが増えるからだ。教育成果が上がっていれば、教員が生徒に薦めるきっかけにもなる。
  大学のPR活動として、高校の立場から期待することは、高校との個別の連携である。生徒の意欲を高める機会をもっと設けたいからだ。例えば、本校はスーパーサイエンスハイスクールの指定校で、生徒が新潟大学や新潟薬科大学などの研究室を訪れ、実習を行っている。直接、研究の様子を見て、大学教員や学生と話すことは貴重な経験であり、どの生徒も将来を真剣に考え始める。
  残念なのは、理系学部は研究室見学によって入学後の学びがイメージしやすいが、文系学部にはそれに相当する機会がないことだ。模擬講義はあるが、大学教員の話だけでは学びの扉をたたくだけで終わってしまう。文系学部志望の生徒はイメージで大学・学部・学科を選びがちであり、それを解決する手立てはないかと考えている。


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