特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校訪問は相互理解を深める情報交換の場

 入試広報のための重要なリサーチの機会として、入学センターは特に高校訪問を重視している。自学のアピールに重点を置く大学も多いが、近畿大学ではあくまで、高校生と大学のミスマッチを防ぐことを念頭に、情報交換の場と位置付けている。
 入学センターの職員1人と異なる学部の教員2人が1組となって、年間約4回高校を訪問。学部・学科の内容や入試に関する情報提供を行うとともに、大学に対する高校側の要望や意見をヒアリングする。入学案内はわかりやすいか、入試制度に問題はないか、願書は書きやすいかなど、広報や制度上の問題によって敬遠されることがないよう、改善すべき点を細部まで聞き取る。志願者の多い近畿圏の高校では、「要項のこの部分がわかりにくい」など、具体的な指摘を受けるという。
 現場で吸収した情報は、職員を通して入学センターに集約される。より迅速に意思決定が行えるよう、世耕事務長にダイレクトに届く携帯メールで報告書を提出する体制も敷いている。
 高校現場から得た情報は、少数意見でも必ず改善につなげる。「こうした活動で、新たに増える志願者はせいぜい5〜10人程度だろう。しかし、これを50回、100回と続けると、その数は500人、1000人にもなる」と世耕事務長は話す。


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