特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[テーマ3] 大学事例から新しい競争力を考える

CASE2

教職員間の連携を進め
ワンストップの学生支援を実現


愛媛大学

愛媛大学は、「教育・学生支援機構」を設置し、FD・SD、ワンストップの学生支援を実施、組織としての迅速な意思決定も実現した。 「学生中心の大学」という理念を体現し、大学の強みとしている。

教育・学生支援に関する機能を一元化

 愛媛大学が「学生中心の大学」を打ち出したのは、2004年のことだ。特に教育に力を入れる方針を定め、大学憲章で「学生が入学から卒業・修了まで安心して充実した大学生活を送ることができる学生支援体制を築く」ことを宣言した。
 教育・学生支援機構の機構長を務める弓削俊洋副学長は「大学では従来、教育や学生支援よりも、研究を重視する風潮が強かった。しかし、本来、大学の使命は人材育成にある。大学改革を進めるにあたり、大学の原点を再確認した」と説明する。
 こうした考えを具現化するために設置されたのが、教育・学生支援機構だ。「共通教育」「英語教育」「アドミッション」「学生支援」の4つのセンターと「教育企画室」から成る。従来、別々の組織が管理していた、カリキュラム・プログラムの開発やFD・SD、教育課題の調査研究、学生相談、課外活動・就職支援など、教育改革や学生支援に関する機能を一元化し、学生の視点に立ったサービスの向上を図る。
 「学生中心」が目に見える形で表れているのは、「学生サービスステーション」だ。同サービスステーションに学習支援と学生支援にかかわる窓口を集約し、学生の利便性を高めた。
 また、自習やコミュニケーションのためのスペースとして、2010年2月に愛大ミューズ「ラウンジ」5室を開設。ソフト面に加え、ハード面での支援を進めようとしている。

写真
新設された愛大ミューズ「ラウンジ」。

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