これらの取り組みが教育・学生支援機構を中心に、スムーズに実現できているのは、学部間、教職員間の連携体制が構築されているからだ。教育・学生支援機構の設置と同時に、各センター・室に対応させる形で事務組織を改組。教育・学生支援機構と事務的組織である教育学生支援部は、一体となって業務を行う。
　教育・学生支援機構と各学部、あるいは学部間の垣根を低くする工夫もある。鍵を握るのは、教育・学生支援機構とともにカリキュラム改革などを進める「教育コーディネーター」だ。学科・コースごとに最低１人を置き、年に４、５回開かれる研修では、全学的な課題が共有される。各学部を取りまとめる統括教育コーディネーターには、副学部長や学部長補佐クラスが就き、教育・学生支援機構と各学部を結ぶ役割を担う。
　２週間に１回開かれる「教育学生支援会議」が、教育や学生支援策の決定を一元的に担うのも大きな特徴だ。機構長や各センター・室長、各学部の統括教育コーディネーター、さらに事務スタッフから部長と各課長が一堂に会するため、迅速な意思決定が可能になった。
　「学生中心」の取り組みは、卒業時の学生満足度の向上や休・退学者の減少につながった。今後は、個々の学生の成長を追跡する調査のほか、卒業後10年間の長期間な成果を測る追跡調査も行う予定だ。