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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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学力試験があるAOでも「志望校を受験」は6割

 今後、高校はどのような進路指導方針に基づき、生徒を指導していきたいと考えているのかを、高校教員調査から見てみる。
 「推薦・AO入試の受験者数」については、「今よりも増やす」14.9%、「今と同程度」62.0%、「今よりも減らす」20.7%と、今と同程度でよいという回答が半数以上を占めた。進路指導方針としては、「生徒には、指定校推薦以外の推薦やAO入試は考えさせない」(「あてはまる」「ややあてはまる」)が15.6%であった。図表11では、57.8%が「推薦・AO入試の実施割合をもっと減らすべきだ」(「とてもそう思う」「まあそう思う」)と答えている。このような問題意識が、推薦・AO入試の受験者を「今よりも減らす」との回答につながっていると推測される。

図表11:大学に関する項目について高校現場が感じていること

 まずは、「AO入試、推薦入試における学力把握措置」が講じられることによる受験生の動向である。高校の61.5%は、大学が「推薦・AO入試にもっと学力試験を課すべき」(「とてもそう思う」「まあそう思う」)と考えている(図表11)。

図表12:推薦・AO入試に学力試験を用いる場合の受験校の選び方

 高校生・保護者調査で、推薦・AO入試で学力試験の結果を用いて合否を決める場合の、受験校の選び方について尋ねた結果が図表12である。「レベルを落としてもよいから推薦・AO入試で学力試験の必要のない大学を受けたい」と思う高校生は15.2%、保護者は12.5%で、いずれも10%台にとどまる。
 一方、「なんとか勉強して志望どおりの大学を受けたい」と思う高校生は62.3%、保護者は68.9%。「勉強しなければならないのなら、もっとレベルの高い大学を目指したい」と思う高校生も12.6%、保護者は9.1%いる。「入りたい大学」ではなく「学力試験のない大学」という観点で大学選びをする高校生・保護者よりも、「勉強して志望校やレベルの高い大学をめざす」高校生・保護者のほうが圧倒的に多いことがわかる。
 高校教員調査でも、推薦・AO入試に面接や志望書に加えて「学力試験の結果も用いて合否を決める」としたら、生徒は学びに向かうようになると思うか尋ねたところ、「とてもそう思う」が14.3%、「まあそう思う」が54.1%で、合計7割弱が肯定している。推薦・AO入試の学力把握措置により、生徒は今以上に学びに向かうことが予想される。


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