特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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学生情報を一元化し学生支援に活用

 入学後の教育についても、入試方式の多様化に対応するための施策を取り入れている。英語などの授業は、基礎学力テストの点数を基に、全学生を習熟度別クラスに分けて行う。また、初年次教育の授業の改革も進めている。従来は、大人数で行われていたが、徐々に15人程度の少人数・双方向の「入門ゼミナール」に切り替え、2010年度のカリキュラムからは、全学で必修化した。学科によっては、入門ゼミのクラス分けの際、同じ入試方式による入学者が偏らないようにしている。また、同じ付属校出身者同士で固まらないよう、ゼミを分ける配慮もする。
 2009年度の入門ゼミ単位で算出したGPAは、大人数のクラスの頃と比べ、1.0以下の学生の割合が減少した。これらは全入学者対象の試みだが、入試方式の多様化による学力のばらつきを抑えることにつながったといえる。

「学生支援システム」による学生情報の分類

 2009年度からは「学生支援システム」を全学で稼働させた。これは、高校の成績、大学での履修科目、基礎学力テストの結果、成績などを学内ネットワーク上で集約し、一元的に共有するシステムだ。教員による指導の履歴も記録できる。教職員は、アクセス権限に応じて必要な情報をすぐに閲覧できるため、組織内で連携して学生を個別にケアすることが可能になった。
 各種情報から入試方式別の入学者の特性を分析し、一人ひとりのケアに反映することが、今後の課題といえそうだ。


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