聖学院大学は、創立10年目の1998年に本格的な入試改革をスタートさせた。背景には、少子化による受験生数の減少と、学生の質の低下という問題があった。
1998年の時点では、まだ全国的に見て受験生の数が大学の収容定員を上回っていたので、受験生は偏差値の高い大学から低い大学へ流れていく状況にあった。しかし、大学全入が予測されていた2007年度入試までには、待っていれば受験生が流れてくるということはなくなり、定員割れを起こす大学が続出し、大学淘汰の時代を迎えると考えられた。
そこで本学がめざしたのは、志願者の数を競う選抜型の入試ではなく、大規模大学がまねできない少人数教育という特色を前面に出した入試をつくることであった。それによって、本学に合った入学者を確保したいと考えた。その結果、少人数教育の中で伸びる資質を持つ受験生を「見いだす」入試として、1998年にAO入試の前段階となる「自己アピール入試」をスタート。これに手を加え、AO入試元年と呼ばれる2000年より1年早い1999年に、AO入試を導入した。 |