特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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AO入学者が持つ誇りと学習意欲

 本学では誰とはなしに「入試から始まる大学教育」と言っているが、教員の実感から生まれた言葉であろう。教員は、入試で手間を掛けることが入学後の学生の意欲、教室の雰囲気に良い影響を与えることを知っているので、不満も出ない。じっくりと受験生と向き合うAO入試を通過して本学に入学した学生は、「結局誰でも入学できる」という気持ちではなく、大学によって「見いだされた」という誇りと学習意欲を持つようになる。
 AO入試で生まれたモチベーションを継続させるために、2001年2月に「入学前準備教育」を始めた。実施するにあたって学力の問題を、「学習意欲」「学習習慣」「基礎学力(あるいはリテラシー)」という3つの側面からとらえ直し、それぞれを向上させ、改善するプログラムを検討。入学まで学習意欲を継続させるためのしくみをつくらなければ、せっかくAO入試で学ぶ楽しさの糸口を見いだしたとしても、それが一時的なもので終わることは明らかだったからだ。入試と対をなす重要なものとして入学前準備教育を位置付け、1コマ90分で4コマの講義を11日間、通学制で実施してきた。


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