学士課程教育体系化のステップ

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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他学部のチェックによりブラッシュアップ

 愛媛大学では、各学部の教育コーディネーターが中心になってDP策定作業を進めることとなった。円滑に進めるため、教育コーディネーター研修会の場で、学部ごとに「DPの原案」を作成するワークショップを実施した。その際、出来上がったDPに対して他学部の教員からの質疑の時間を設け、ブラッシュアップを行った。これにより専門用語が取り払われ、平易な文言となった(図表2)。

図表2:学部DPの例/愛媛大学法文学部人文学科

 DPの主要な読み手は受験生、学生、就職・進学先機関であることから考えれば、専門分野の全く異なる教員からのチェックは有効である。教育コーディネーターは研修会で作成したDPの原案を学部に持ち帰り、検討した。各学部において最終的なDPが完成するまでには、3〜5か月を要した。

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超複雑性時代の大学
 イギリスの高等教育研究者、ロバルト・バーネットは現在、大学が置かれている時代状況を「超複雑性(supercomplexity)」という言葉で表現した。これまでの理解・行動・自己認識の枠組みが常に問い直される時代という意味である。
  このような時代に、大学には二重の役割が求められる。不確実性を生みだし続け、さらに世界をカオスにすると同時に、私たちが不確実性とともに生きることを助け、時にこの不確実性を楽しむことができるようにするという役割である。

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