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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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求める能力の多くを面接で確認

 これまで見てきた能力を、企業はどのような評価方法を用いて測り、選考に利用しているのだろうか。図表3は、図表2と同じ順番で各能力の評価方法の割合を示したものである。

図表3:採用時における能力の評価方法[企業調査]

 上位8項目の能力については、「面接」を利用する割合が他の評価方法より圧倒的に高い。ヒアリング調査からも、上位項目の能力を「面接」を中心にして評価している採用の実態がうかがえた。以下に、回答を抜粋する。
 「『アルバイトは何をしていたか?』と質問を投げかける。それがチーム制であれば『どんな役割だったか?』と掘り下げ、引っ張っていくタイプなのか、フォローしていくタイプなのかを見る。また、本当にそうなのかを、気の合う友達でない集団における経験や、サークル活動やゼミでの役割、意見がぶつかったときの対処法等、さまざまな観点で質問して探る。課題を克服するまでの過程を聞けば、『問題解決力』の評価ができる(1000人以上/上場/教育、学習支援業)」。
 「『自己管理力』『チームワーク力』『リーダーシップ力』『問題解決力』等は、面接やグループワークの中で評価している。例えば、面接では、学生時代に成果を挙げたこと、そこに至るまでのプロセスを説明してもらう。グループワークでは、答えが一つに定まらない課題に取り組んでもらい、チームとしての答えを導き出すまでの過程を評価する(1000人以上/上場/製造業)」。
 多面的な質問の切り口や他の評価方法との有機的な組み合わせにより、学生の持っている能力を的確に把握しようとする企業側の工夫がうかがえる。


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