特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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教科と職業を結び付ける教材開発への期待

 先に述べたように、中・高校では「日常型」キャリア教育の強化が課題であり、それは小学校についてもいえる。その解決のために大学は、教科学習を職業や社会と結び付ける役割を果たすべきである。キャリア教育をはじめ、教科に対応した各分野の専門家を擁する大学にとって、教科学習の内容と社会や職業とのつながりを示す教材を作成することは可能である。各教科が社会や職業の中でどう機能しているか、生徒が理解できるような教材を提供すれば、小・中・高校の教員は日常的な授業を通して、職業観や勤労観を育成でき、職業に関する知識や技能の修得にも有効である。
 また、必要に応じ、大学の教員が小・中・高校に出向いて教科に内在する専門性の意義を示すことも可能となる。具体例として、出前授業や生徒との個別相談、関連する専門分野の高校教員との情報交換などが挙げられる。職業や社会との関連性がわかりやすい教科学習が大学の専門分野とつながることにより、特に高大の教育課程の連続性を高める可能性も生まれる。


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