長田　国際学生にとって、日本で、そして貴学で学ぶ意味は何にあるとお考えですか。

是永　本学の基本理念の一つに「自由・平和・ヒューマニズム」があります。軍事政権下にある国、民族紛争や戦争が後を絶たない国から来た学生にとっては、非常に重いテーマです。それぞれ異なる政治・社会制度を持つ国の学生が、自由と平和を理念に掲げた本学に集まり、基本的人権や自由が保障されている日本で生活し、学ぶ。この意味は非常に大きいと思います。

長田　大学生活を通じて、国際学生がどのように変化することを期待しておられますか。

是永　国際学生は、本学での学びや生活を通して「なぜこのように自由なのだろう」と思うことでしょう。そして、何がこの平和を支えているのかを考えるかもしれません。そうした学生が本学を卒業してそれぞれの故郷に帰り、本気で自由や平和を考え始めたとき、世界は変わると私は思います。
　 「国際化」というと、どれだけ海外に留学生を派遣したか、外国人留学生を招いたかなど、数値的な議論に終始しがちです。そうではなく、日本が世界に対して果たすべき役割とは何かを真剣に考えることから始めなければならないと考えます。