特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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求められているのは差別化のための教育情報

 2011年度からは教育情報の公表が義務化されるが、多くの大学は政府からやらされるから仕方なく追従するという感を免れない。大学といえども社会によって生かされている組織であって、その内容を世に開示するのは当然のことだ。にもかかわらず文科省に言われるまでは腰を上げようとしないのでは、大学自治の御旗が泣くというものである。
 教育情報の公表の義務化は、個々の大学が胸を張って自らの活動内容を世間に提示できる大きな機会である。長年地道に質の高い教育活動を積み重ねてきた大学は、その内容を堂々と示せばよい。
 例えば、受験生にとって最大の情報源の一つはウェブサイトだから、これを活用して十分アピールをすればよい。大学のウェブサイトに掲載されている教育理念の文章は比較的似ていて、抽象的で心を打たないものが多い。他大学と差別化できる具体的な教育情報を発信することが大事である。それができる大学は教育に努力を重ねてきた大学であって、そういう大学かどうかを受験生は感じ取ることができるはずだ。
 情報公表の制度化は、仕方なくつきあうものではなく、戦略的に使うべきものである。


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