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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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就職率
就職率の分母は4割の大学が不明

図表6:就職率 次に、就職率の公表度を見ていく。
 図表6は、2009年度卒業生の就職率を公表しているかどうかを示している。公表している37.5%(130校)のうち、3校に1校が全学で集計していた(図表7)。 就職率は分母の設定によって大きく変動する。そこで、分母を何にしているかを調べた結果、「卒業生数」 3.8%、「就職希望者数」56.2%、「その他・不明」は40.0%であった(図表7)。「その他・不明」には「卒業生数.進学者数」などが含まれるが、ほとんどは分母が不明だった。

図表7:就職率の集計単位、分母

 就職希望者数を分母にすると、内定が得られずに留年、進学やアルバイトなどの進路変更をした学生が除外されるため、実態が見えにくくなる。それ以上に、分母が何であるかわからない就職率が4割あるというのは問題だ。就職率は、進学者数、進路未定者数などと併せて公表するのが、情報の受け手にとって理想的なのではないか。
 今回の調査項目以外で、就職先の情報として掲載が目立ったのは、エリア別(勤務地、本社所在地、Uターン就職状況)、企業規模別(資本金、従業員数、上場・未上場)による人数や構成比である。
 一つの大学内でも、詳しい情報が載っている学部もあれば、就職情報が何も載っていない学部があるなど、公表内容やフォーマットが統一されていないケースが見られた。全学でまとめて掲載せず、学部・学科ごとのページに掲載されているケースもあり、これでは類似する複数の学部・学科(例えば、経済学部と経営学部、理学部と工学部など)を比較したいときに不便と思われる。


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