教育情報の公表義務化に向けて、既に多くの大学が対応を検討または実施している。公表対象となる9項目は既に学校基本調査などで集計されるか、大学によっては独自に公表・明文化されている情報であり、画期的な内容とは言いがたい。
今回の義務化は教育情報を公表すること自体に意味があるのではなく、高校生やその保護者などにとっての情報到達可能性(アクセシビリティ)と理解可能性(ユーザビリティ)の実現こそが本旨であろう。
9項目の内容は、定量データから方針・ガイドラインまでさまざまであるが、「どのように」載せればよいかは各大学に判断が委ねられている。
「在学者総数」一つとっても、大学のウェブサイトのトップページからは探しづらいケースが多い。まず運営母体である学校法人のウェブサイトに行き、そこから何クリックかを経て事業報告書にたどり着き、やっと確認できるといった具合である。情報に到達できなかったら、その人にとってはその大学が情報を公表していないことと同じなのだ。
本稿では、ウェブサイトにおいて、利用者から必要とされる情報をわかりやすく示すにはどうしたらよいか述べたい。
当社は2007年から毎年、全国の大学のウェブサイトを245の評価項目で調査し、ランク付けしている。そのうち、「情報の公開度・先進性」の評価項目を分類した10のカテゴリについて、最新の調査結果も紹介しながら、評価の視点を説明しよう。 |