特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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4割の大学が代表電話番号の掲載なし

①入学試験情報:入学者数、募集人員、在学者数、卒業者数、進路などの基本的な情報に加え、立命館大学のように、入試方式ごとの志願者数や志願倍率、合格者数、合格最低点など、詳細なデータを公表しているか。こうした過去の入試データが掲載されている大学は全体の69%に上る(2010年6月時点の調査対象738大学に占める割合。以下同)。
 一方で、一般入試の過去問題やその解答を公開しているのは一部にとどまっているのが現状だ。入学試験情報に関連しては、アドミッション・ポリシーの公開も必要となってくる。

②就職情報:グラフとデータ付きでわかりやすく就職実績や取得可能な資格が示されているか。内定者のインタビューや就職活動の体験談なども、高校生にとって役立つだろう。

③大学紹介コンテンツ:大学の沿革や動画による大学紹介があるか。京都大学などのようにユーチューブの活用も今後、一般的になってくると思われる。

④大学の取り組み:多くの大学サイトにおいてトップページからは探しづらい箇所に情報がある中、大阪商業大学では大学紹介のカテゴリにおいて、セクシャルハラスメント対策やFD活動について詳細に説明している。

⑤資料請求とFAQ:代表電話番号が大学サイトに掲載されているのは60%、問い合わせフォームの掲載は29%にとどまる。入試に関するFAQ(よくあるご質問)の掲載は56%。ECサイト(自社の商品・サービスを販売するウェブサイト)を運営する小売業等の他業界に比べると、著しく対応が遅れている。

⑥アカウンタビリティ:学校法人のサイトではなく大学のサイトに掲載されているか。学校法人のサイトに掲載せざるをえない場合でも、大学のサイトからスムーズに移動できるようなリンクの設置が必要だろう。教員情報に関しては、教員数や専門性に関する情報として大きくページを割くとともに、教員のコメントを詳細に掲載するのもよい。

⑦オープンアクセス:教育内容に関する情報、大学の資源を学外からも活用できるようにするための情報をどの程度公表しているか。龍谷大学のサイトでは、カリキュラムの特色や授業の独自性などが適度な文章量でまとめられている。各ゼミのテーマ一覧は教員情報やシラバスにリンクし、理解を深められるようになっている。

⑧ウェブ広報の先進性:多言語対応状況については、英語に対応している大学が60%を超えている。中国語や韓国語などの対応は17%。

⑨キャンパスライフ:高校生にとっての基礎情報といえる。入試情報や大学基本情報は既に多くの進学情報メディアに掲載・比較されている。したがって、大学の特色を伝えるキャンパスライフの情報の発信に、特に力を入れるべきだろう。

⑩モバイルコンテンツ:現在、モバイルサイトを公開している大学は58%。スマートフォンへの対応も、今後必要だろう。


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