特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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わかりやすい見せ方を広報課との連携で模索

 同志社大学の先進的な取り組みについては、情報公開のあり方を模索する多くの大学が注目している。特に特色GPに採択された際は、なぜそこまで開示できるのか、教員の協力を得られるのかといった質問が多数寄せられた。講演の依頼も多いという。
 その半面、高校からの反響はそれほど大きくはないという。教育開発センターでは、2004〜2006年に高大連携部会を設け、高校との接続のあり方を模索してきた。その際の議論においても、情報の公開に対する評価や要望などは聞かれなかったという。原事務長は「要望があれば、教務に情報が届くはず。要望がないのは、本学の情報の公開状況に不満を感じていないからではないか」と分析する。
 しかし、それは、同志社大学の教育内容に対する高校の関心の低さの表れとも捉えている。教育開発センターの勝山貴之所長は、「学生アンケートで本学を選んだ理由を聞くと、『偏差値』『イメージ』という回答が多く、本学の教育内容にこだわって入学した学生は少ない。情報を公開し続けることにより、本学の教育への興味・関心を高めたい」と語る。
 情報公開の充実は、しっかりと大学の教育内容を見てほしいというメッセージでもあるのだ。
 こうした課題を解決するために、今後は広報との連携を今まで以上に進めていく考えだ。原事務長は、「情報公表が義務化されるが、単に公表するという観点だけなら、すでに必要な情報は開示していると自負している。しかし、それだけでは不十分だ。今後は一般の人にもわかりやすい方法で情報を見せる工夫が必要になる。広報課と連携し、より強く社会にアピールできる公開の方法を考えたい」と述べる。努力義務の項目についても、積極的にデータを公開する予定だ。


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