特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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CASE 3

大学の信頼性向上のため
データ集でありのままの姿を公表


聖学院大学

聖学院大学では1999年度から『DATA BOOK』を発行し、学内のさまざまなデータを積極的に公表してきた。
多くの大学が公表に消極的な情報も包み隠さず掲載し、ありのままの姿を伝えることにより、高校教員からの信頼を得ている。

短大との統合を機に入試情報をオープン化

 聖学院大学の『DATA BOOK』は、A4判140ページ超の膨大なデータ集だ。入試結果や入試問題をはじめとする入試データ、各学科の教育内容、資格取得状況、財務状況、進路情報など、学内のあらゆるデータが網羅されている。高校生が大学選びをするために必要な「難易度」以外のデータを掲載することにより、「自分に合った大学」を見つけ出してほしい、という願いが込められている。
 初めて『DATA BOOK』を作製したのは1999年度のことだ。この年、短大を4年制大学と統合。募集定員は300人から600人となり、定員の充足が大きな課題となっていた。そこで入試改革の柱に据えたのが情報の公表だった。
 山下研一広報企画部長は「ありのままの姿を伝えることにより大学の顔立ちをはっきりとさせ、『入学したい、させたい』という気持ちを引き出したかった。将来定員割れすることがあっても、データは出し続けることを決意した」と語る。
 当初、『DATA BOOK』は、入試問題、入試結果、正答率などを掲載した100ページ程度の冊子だったが、徐々に就職関連など、入試以外のデータも追加。2008年度版にはアドミッションズ・ポリシーやセンター試験を導入しない理由など、「大学案内だけでは伝えきれない大学の思い」(山下部長)も盛り込んだ。2010年度版からは、あらゆる情報を公表する方針を打ち出し、開講科目や教員一覧、財務情報など、データ化できるものをほぼすべて公表。2011年度版では退学者数の公表にも踏み切った。

『DATA BOOK』2011のコンテンツ(一部)

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