リーダーズマインド

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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育成したい人材像に基づいた教育を展開

長田 教学面で新しい取り組みはおありですか。

長尾  2010年に「ボランティアセンター」を設置しました。自己を確立するためには、人との触れ合い方を知らなければなりません。人との出会いの中で何を得られるのかということを、ボランティア活動を通して学生にもっと知ってほしいと思います。
 「共通教育センター(CLC)」も設置します。共通教育のプログラムの構築、履修指導、FD活動の推進などを担う部署です。これまで、大学は「何を教えるか」という観点でカリキュラムをつくってきました。今後はそれに加えて、「どのような力を修得させるか」も考えなければなりません。FD活動を推進して、コミュニケーション力、国際性や創造性など、学生に身に付けさせたい力を10項目程度に分類し、授業ごとに2〜3項目を担うよう、先生方に工夫してもらいます。CLCは学生一人ひとりの履修科目を一元管理し、修得すべき力のバランスを判定して履修指導を行います。チャペルでの礼拝に参加を呼び掛けるなど、建学の精神に基づいた心の教育も大切にしていきたいと思います。
 大学が資格取得率や就職率などの数値だけを競っていたのでは、日本中の大学生は画一的になってしまいます。本学は2011年に創立125周年を迎えます。大学の伝統を守りつつ、そのうえに新しい試みを積み重ね、広島女学院大学らしい学生を育成し、特色のある新しい文化を花開かせていきたいと思います。

長田 本日は貴重なお話をありがとうございました。

平和を担う人材の育成をめざす「ボランティアセンター」
 学校法人広島女学院では、建学以来125年にわたり「愛と奉仕」の精神に則ったボランティア活動が行われてきた。近年は体験型学習の一環としてボランティアが重視される現状をふまえ、活動の充実を図るため、ボランティアセンターを開設した。

 2010年5月に開催された「広島フラワーフェスティバル」には、多くの学生や教職員がそろって参加し「折りづるひろば」を設置。平和について考えるきっかけにしてほしいと、来場者に折り鶴を折ってもらったり、巨大折り鶴に平和へのメッセージを書いてもらったりした。また、2010年11月に広島市で開催された「ノーベル平和賞受賞者平和サミット」にも巨大折り鶴を持ち込み、ダライ・ラマ14世をはじめとする多くの参加者に平和への願いを込めたメッセージを書き込んでもらった。

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