特集 つなぐ教師の教科指導力
長谷部秀俊

▲山口県立山口高校

長谷部秀俊

Hasebe Hidetoshi

教職歴28年。同校に赴任して4年目。進路指導部長。国語担当。「生徒に信頼される授業を心がけています」

木嶋太郎

▲山口県立山口高校

木嶋太郎

Kijima Taro

教職歴24年。同校赴任14年目。進路指導部副部長。日本史・倫理担当。「現代との接点を大切に指導しています」

岡山哲也

▲山口県立山口高校

岡山哲也

Okayama Tetsuya

教職歴20年。同校に赴任して4年目。1学年担任。地理担当。「生徒が家で話したくなるような授業が理想です」

山本純子

▲山口県立山口高校

山本純子

Yamamoto Junko

教職歴20年。同校に赴任して10年目。2学年担任。英語担当。「生徒との信頼関係を大切にしたい」

橋本嘉和

▲山口県立山口高校

橋本嘉和

Hashimoto Yoshikazu

教職歴19年。同校に赴任して14年目。3学年担任。数学担当。「授業には生徒を引き込むエネルギーが必要」

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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分析会で時期に応じたアクションプランを立てる

図1
各教科の事前の分析により課題が明確になるため、分析会では次の段階に向けての目標設定や具体策について話し合う。分析会を開くことによって、生徒にただ「頑張れ」というのではなく、具体的な目標や対策につなげられる
 模試分析会は、図1のような流れで行われる。対象は、基本的に学年全員が受験する校外模試だ。1、2年生は7、11、1月の模試、3年生は5、6、7月。各教科1〜3人の教師が、生徒全員の答案を読み込んで分析(P.12以降に詳述)。全教科のレポート(図2)を進路指導部がまとめてプリントにし、生徒全員に配付する。
図2
生徒に配付される「模試分析」のレポート。A4サイズの用紙で、各教科1〜4枚にまとめられる。内容は自由。校内の得点分布を示す表を入れたり、誤答をしやすい理由を解説したりと、教科で最も伝えたいことが端的に書かれている
 分析を担当する教師の人選方法は教科によって異なる。例えば、2年生英語の場合は、年間を通してローテーションを組み、代表者が分析する。地歴・公民では、教師の数が少ないため、該当学年の担任の教師、およびその学年に深くかかわっている教師が各科目を1人で担当する。3年生の数学では、年間を通して1人で担当する。
 これらの模試分析の結果を受けて、模試分析会(3年生では進学検討会)が行われる。1、2年生は9、2月、3年生は6、9月の各2回だ(いずれも前月等の模試分を基に検討)。それぞれ1時間程度で収まるように設定し、参加者は校長、教頭、該当学年の担任、副担任、教科担当者、そして他学年の教師数人がオブザーバーとして参加する。
 模試分析会では、各教科が模試の結果を振り返り、課題克服に向けた対策・展望を述べ、それを受けて学年全体の課題や方向性について検討する。例えば、08年9月の2年生の模試分析会では、長期休暇後の成績の落ち込みをどのように解消するかを話し合った。その結果、学習時間調査による家庭学習の確保や、弱点部分についての課題・小テストの充実といった対策、「11月模試の理科・社会で6割以上の得点を目指す」などの目標が立てられた。
 また、同時期の1年生の模試分析会では、7月模試の3教科平均が例年より2〜3ポイント低かったため、急きょ対策を練った。ここでは、授業や定期考査はもちろん、遅刻や欠席、家庭学習の状況など、普段の生活を見直す路線が打ち出された。思うような結果が出ないと、どうしても焦りがちになる。しかし、こういうときこそ、基本に立ち返ることが大切という判断からである。
 このように、成績や時期、生徒の気質などに応じたきめ細かな方針を示し、次の対策へとつなげていくのが、同校の模試分析会の特徴といえよう。

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