特集 新課程のポイントと高校教育への影響
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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授業研究・教材研究で指導力向上を図る

 このように、新課程は今日的な課題に対応した構成となっています。
 中学校・高校共に現行課程に比べて学習内容が充実している以上、学力を底上げする効果は高いと考えられます。ただ、そのためには、教師一人ひとりがこの新課程の趣旨をしっかり理解し、効果的に実践することが求められます。
 今回の改訂を踏まえて、教師にはどのような心構えが必要なのでしょうか。前回の改訂では、内容が厳選されたために、教える内容自体はシンプルになった面もありました。しかし、今回の改訂では、数学・理科について、科目によっては内容的にも高度になりました。特に、生徒の学力層の幅が広い高校では、内容をいかにわかりやすく伝えるか、上手な教材づくりに結び付けられるかが問われるでしょう。授業研究・教材研究をしっかり行い、指導力を磨く必要があります。

他教科にも目を向け 学校全体の足並みをそろえる

 もう一つ、留意する必要があるのは、学校全体で「自校がどのような生徒を育てようとしているのかを改めて考える」ということです。
 今回の改訂では、「伝統や文化の尊重」「言語活動の充実」など、大半の教科に共通する具体的な事項が多く盛り込まれています。担当教科の改訂事項を読むだけでは、なぜそのようなことをしなければならないのかが見えてこないこともあります。ほかの教科の取り組みにも目を向けて、教育課程全体でどのような力を育てようとしているのかをしっかり把握し、担当教科の位置付けを改めて考えてほしいと思うのです。そうすることによって、課題の解決や目標の策定に向けて、学校全体の足並みがそろっていくのではないでしょうか。
 また、小・中学校では、今回初めて「学習指導要領」の冊子が教師一人ひとりに配られました。学校全体が同じ目標に向かって進んでいく流れをあと押ししてくれるものと考えます。
 新課程は13年度から学年進行で実施される予定です(P3図2)。09年度中は内容の周知・徹底を進め、10年度から総則等の先行実施となります。準備をしっかりと行い、新課程の趣旨の実現をめざしていただきたいと思います。

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