座談会 「高大接続テスト」は教育改革の突破口
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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大学側が個性に合わせた入試方式を導入すべき

─「高大接続テスト」が大学でどのように活用されるのか、現時点で高校の先生方が疑問に感じていることはどのようなことでしょうか。
鈴木 高校教師は40人生徒がいれば40人すべてを成長させたいと考えますが、研究大学は別としても、「教育」の部分で高校と同じ発想で生徒を育てていく覚悟がなければ、大学は存続できないと思います。
 一方で、現状では一部の大学は学力が低くても合格出来てしまう。「高大接続テスト」が実現されれば、そういう生徒は排除されてしまうかもしれない。学力不足の生徒でも入学させなければ存続できない大学は淘汰されても仕方がない、ということが合意できるかが大きな課題だと思います。
佐々木 大学も、ジェネラリストの育成よりも、資格取得を支援したり、専門職業人の育成を重視するところが増えています。高校卒業資格さえあれば入学できるアメリカのコミュニティ・カレッジのようなやり方もあるでしょう。
 各大学がどのような学生を育てていきたいかを、これまで以上に明確に意思表示する必要がありますよね。国際的な教育研究拠点を目指す大学、単科大学で大学院教育に重点を置く大学、一般教養の修得に重点を置く大学……そうした大学の機能分化に合わせて、試験も運用していくべきでしょう。

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