教育現場の挑戦 子どもの「考える力」を呼び起こす「教えて考えさせる授業」の実践

VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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学び合い学習を支える「話型系統表」

 学び合いの学習を円滑にしているのが、学年ごとに話したり聞いたりするときの態度や話型をまとめた「話型系統表」だ(図2)。
  「『Aさんと同じで……』などと話しながら、自分の考えは相手と同じか、あるいはどう違うのかと考えます。型通りの会話に見えても、それは考えをつなぐ上での思考のトレーニングになっているのです」(永池先生)
  こうした学び合いは、塾で先行して学習している子どもにも豊かな学びの場を提供している。例えば、算数では時々、「算数の学級会」として解き方を話し合う。あるとき、立方体の体積の求め方について話し合っていると、学習の進んだ子が「『縦×横×高さ』だ」と公式を口にした。しかし別の子が「『縦×横』は面積でしょ。高さが5センチだとしたら、面積が5個あることになる。それが体積になるのは変だ」と反論したところ、だれも答えられなかった。このように、学び合いは形式的な理解から、より理解を深めるきっかけにもなっている。
図2

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