移行措置対応のポイント 第2回 「活用」から見る算数の授業
VIEW21[小学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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時間 場面 授業の展開 中村先生の視点
48分   数直線1〜4
*図の赤字は1〜4の各段階でかき加えられた部分

Dくん「2倍から3倍まで5マスしかないから、1マスが0.2倍になる。0.2倍が2つだから0.4になる」
T「どういうことか分かる?  1マスが0.2で、5マスで1増えている。その2つ分で0.4じゃないかということだね。1マスが0.2というのを、もう少し分かりやすく目盛りを工夫出来る人はいないかな?」
Fさん 数直線に記入【数直線4】
T「Fさんが何をしたか分かった人? 言葉で説明出来る人はいる?」
Eさん「0.2を0.1のところで切った」
T「つまり、Fさんは2から3の目盛りを細かくして10等分にしたということだね。すると、Dくんが□にしたのはいくつ目になる?」
Gくん「4つ目」
T「ということは、0.1の4つ分で0.4。だから2から0.4増えて、□は2.4ということが分かりそうだね。式の結果と数直線で考えたものが同じになったね。これからは数直線が使えそうかな。テープ図で迷っていた人もいたようだから、次の時間にやってみよう」
佐藤先生のねらい 方眼の0.2単位のマスを使って2.4がすぐに導き出されることは予測していた。更に小数への理解を深めさせるため、10等分させて0.1単位で考えさせたかったが、なかなか出てこなかった
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写真
 
 2.4倍を子どもにとらえさせる方法は、二つあった。
 一つは、0.2を単位とする方眼に目が向いてしまい、10等分する発想が出てこなかったので、黒板に直接数直線をかいて、方眼を使わずに、数直線のみで考えさせる方法。目測で「2.4」「2.5」などを示すうちに、正確な位置を出すために10等分の発想が出てくるだろう。
 二つ目は、授業ではあまり注目されなかったAくんの発言(比較検討2の)をここで取り上げ、「数直線上で表すと、どうなる?」と聞く方法。Aくんは10等分の発想を持っていたはずである
53分











57分
まとめ T「今まで出た考えとか、迷ったこと、迷いがすっきりしたのであればどこですっきりしたのかなど、授業の流れを思い出しながら学習の感想を書いてください。友だちのアイデアについても書いてくださいね」
ある児童の学習感想
「私は位分けが思いつかなかったから、Dくんのやり方を見て、なるほどと思った。私はテープ図をかいているとき少しまよってしまったけど、DくんやFちゃんのようにやれば答えが出ることがわかった。Aくんの説明で2.4はどんな数かということがわかった」
既習内容なので、全員で方法を確認する必要はなかったのではないか。それぞれの子どもに任せれば、時間を3分間程短縮出来た

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