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健康 〜第3回〜
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児童生徒の睡眠不足の状況について調べた調査結果をみると、「最近、睡眠不足を感じている」と答えた児童生徒は、全体で男子42.4%、女子51.8%であり、半数近くが睡眠不足を感じていることがわかった。
睡眠不足を感じている理由をみてみると、全体では「なんとなく夜ふかししてしまう」がもっとも多く、中学生、高校生では半数を超えている。
その他の理由を学校段階別にみてみると、小学校中・高学年では「家族みんなの寝る時間が遅いので寝るのが遅い」、「宿題や勉強で寝る時間が遅くなる」と続く。中学生では「宿題や勉強で寝る時間が遅くなる」、「深夜テレビやビデオを見ている」、高校生では「宿題や勉強で寝る時間が遅くなる」、「電話・メールをしている」と続く。
宿題や勉強以外の理由では、小学生は家族との過ごし方が就寝時間に影響し、中学生以降は家族の影響が少なくなり、テレビやビデオ、電話やメールといったメディアの影響を受けている様子がうかがえる。とくに電話やメールといったコミュニケーションツールの影響は、学校段階とともに大きく増加している。
男女別にみると、「宿題や勉強で寝る時間が遅くなる」、「電話・メールをしている」では、女子が男子よりも高い比率となっており、「パソコンやテレビゲームをしている」では、男子が女子よりも高い傾向にある。
学校保健統計調査より、6歳・11歳・14歳児における肥満傾向児(肥満度が20%以上)及び痩身傾向児(肥満度が-20%以下)の出現率の推移をみてみると、肥満傾向児、痩身傾向児ともに長期的には増加傾向にあることがわかる。
肥満傾向の子どもについてみると、14歳男子では、1977年の4.58%から、2006年の9.55%と、30年間で約2倍に増加した。14歳女子及び他の年齢においても、男女ともに1.5倍から1.8倍に増加している。
一方、痩身傾向の子どもは、6歳では男女ともほぼ横ばいなのに対し、11歳男子では1977年の0.93%から2006年の3.31%と3.6倍に増加し、14歳男子でも3.4倍、11歳女子では2.3倍、14歳女子では1.7倍にそれぞれ増加している。
なお、2005年から2006年にかけて、11歳男子等で肥満傾向児・痩身傾向児ともに減少傾向がみられる。2006年以降は肥満とやせの判定基準が変更となったため一概に比較できないが、2008年の同調査(速報)によると、各年齢で肥満傾向児・痩身傾向児ともに減少傾向となった。食育の浸透や、社会的にメタボ検診等の導入で健康志向が高まったことなどが、影響を与えていると推測される。
小学校、中学校、高等学校における保健室の利用状況を来室理由別にみてみると、小学校では「けがや鼻血の手当て」が34.5%ともっとも多く、中学校と高等学校では「体調が悪い」(中学校21.9%、高等学校29.4%)がもっとも多くなっている。
一方、「なんとなく」、「休養したい」、「困ったことがあるので話を聞いてほしい」、「先生との話」などの理由で保健室を訪れる児童生徒も少なくなく、心の健康面においても保健室が利用されている現状がうかがえる。
また、グラフ化した理由以外にも、「友達のつきあい・付き添い」「お見舞い」「委員会活動」等での利用があった。
同調査によると、1校1日平均の保健室利用者数は、小学校40.9人、中学校37.9人、高等学校35.6人であり、平成13年調査と比較すると、小学校は35.5人から40.9人と、1.5割増加した。中学校、高等学校は大きな変化はみられない。来室理由をみると「けがや鼻血の手当て」が小・中・高ともに2割以上増加し、また「なんとなく」保健室に来室している中学生・高校生も増えている。