特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教師全員で担当し、負担を平準化する

 朝のトレーニング学習は、数学教師の負担を分散させるねらいもある。この時間は、学級担任に加えて、学年主任ら学級担任を持たない教師が全員、教室を巡回する。「1日10分、全員で負担増を分かち合うワークシェアリング≠ナす」(刈山先生)。
 また、数学教師1人で1学年全学級を担当するための方策でもある。1学年6学級の同校では、週4コマになると1人の数学教師で全学級を見られないが、週3コマまでなら可能だ。1人で担当すれば、複数で見る場合に必要な会議の手間を省ける。
 課題は、本来週4コマの数学を週3コマで進めなければならず、年間指導計画より進度が遅れ気味なことだ。「09年度はより効果的な方策を模索する段階。課題を洗い出し改善していきます」と戸田先生は話す。
 他学年も基本は同じ。2年生が選択教科の国語と数学、3年生は同じく国語と英語だ。
 全面実施後の選択教科の廃止に伴い、教育課程へ組み込むか、教育課程外の自習扱いとするかは検討中だ。教育課程に組み込む場合は、一定期間ごとに特定教科の朝のトレーニング学習を行い、通常の授業の時数と合算する方法が考えられる。例えば、数学は4、5月を朝のトレーニング学習、6月以降は通常授業のみ、英語は4、5月と8月以降が通常授業、6、7月はトレーニング学習を加える、といった具合だ。難点は、授業時数の計算が煩雑になることだという。
 「現時点で、どちらが良いかを判断するのは早計。いずれにしても、全面実施までに朝の帯時間は全教師で指導するという雰囲気を高めることが大切です」(刈山先生)

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