特集 志望校はこう選ばれている

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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私の進路選択ストーリー CASE 4

首都圏の私立総合大学 人文科学系学部1年(女子)

入試形態 ● 指定校制推薦入試
出身 ● 首都圏の公立高校
通学(住居)形態 ● 自宅

志望分野とは違ったが
柔軟なカリキュラムに納得して受験を決意

[ 当初は一般入試を目指し猛勉強 ]
 将来は客室乗務員かツアーコンダクターになりたくて、大学では英語を学ぼうと考えていた。理数科目が苦手なので、国公立大学は2年生の時点であきらめ、3教科型の一般入試で私立大学に、と思っていた。高校の進路指導は、本人の選択に任せるというスタンスで、積極的に説明してくれるわけではないが、質問すればきちんと答えてくれた。
 2年生のときに2つの大学のオープンキャンパスに行き、うち1校に心が引かれた。英語習得のためのテキストやDVDなど教材が豊富にあり、設備が優れていたからだ。語学を勉強するには最高の環境だと思った。学力的には厳しかったが、第1志望と決めて、勉強に励んだ。
 しかし、3年生になっても模試での合否判定は思うように上がらず、不安になった。担任の先生に相談すると、今通っている大学の指定校制推薦入試を勧められた。ここは、実は2年生のときにオープンキャンパスに行ったもう一つの大学だった。そのときに、自分の高校と雰囲気が似ているところが気に入っていたし、自宅からの通学に便利だったので、受験しようとは思っていた。
 指定校制推薦は魅力的だったが、募集していたのは、フランス語専攻だった。英語専攻なら何の迷いもなく決めていたかもしれないが、英語の勉強をあきらめられず、とても悩んだ。

[ フランス語にも魅力を感じ始める ]
 両親に相談すると、母は「確実に合格できる方を選ぶべき」と、指定校制推薦で受けるよう強く勧めた。学力だけで大学を選ぶような考えに納得できず、大げんかになった。それを見ていた父は、「最近の大学の語学教育は充実している。納得するまでもっとよく調べたら」とアドバイスしてくれた。
 進路指導室にあった大学案内や受験情報誌を読むと、この学科はほかの専攻の科目も履修が可能で、横断的に学べることが特徴だった。副専攻制度もあったので、フランス語専攻でも英語の科目をかなり自由に履修できることが分かった。
 安心すると、むしろ英語以外の語学を専攻するのもいいのではないかと思い始めた。4歳からバレエを続けていたこともあり、フランスには興味があった。3カ国語を使える方が、仕事でも有利なのではないか。そうプラスに考え、夏休み明けの9月に指定校制推薦を受けることに決めた。締切ぎりぎりに決断したので、校内選考に無事通ってほっとした。
 面接対策として、フランス文学の本を3冊ほど読んだ。本番ではフランスについてかなり突っ込んだ質問もあり焦ったが、バレエの話で盛り上がり、なんとか合格できた。その後も気を抜かず勉強を続け、3学期には成績はだいぶ上がっていた。
 1年次の前半は必修科目が多く、フランス語の勉強に追われて、英語の勉強は思ったよりできなかった。2年次以降は英語にも力を入れたい。


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