進む高校の特色化

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校の取り組み事例

部活動を通して自己管理能力を育成 広島県立祇園北高校

 広島県立祇園北高校は、04年度と05年度、県の進学指導重点校に指定されている。同校の特色は「文武両道」。土曜の補習や学習合宿に積極的に取り組み、毎年100人を超す国公立大学合格者を出す一方で、部活動にも力を入れていることだ。インターハイ出場や県大会の上位常連の部があり、県内では強豪校と呼ばれている。
 同校は部活動を通して「自己管理能力」を育成する教育が特徴だ。進学校であるにも関わらず、1・2年次には家庭学習の目標時間をあえて少なめに設定。一方で、部活の終了時刻を厳守させ、メリハリのある生活習慣を身に付けさせる。「進学校では家庭学習時間を多めに設定しがちだが、生徒の自律に任せた思い切った指導を実践し、やり遂げるという意欲を引き出して成功している学校」と飯塚氏。
 生徒は、学習と部活それぞれの目標を立て、達成のための計画・実行状況・達成度を記録する。生徒は何事にも目的意識を持って取り組むことで、3年次の部活引退までに自己管理の方法や自律的な学習姿勢を身に付ける。先輩の体験談を定期的に何度も提示し、「文武両道」が実現可能であることを意識させる(図表2)。
 「時間の管理を徹底することで、部活終了後も受験勉強の中でうまく気持ちを切り替えられるという効果など、勉強と部活の両立は高校の特色として意義深い」と飯塚氏は語る。

図表

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