真宗大谷派(東本願寺)の設置校である大谷大学(京都市)は、2009年夏、「全国縦断夏季八十講」と銘打った公開講演会を実施した。全国80の同窓会支部と共同で、約2か月間にわたり全国で仏教に関連した講演を行った。
もともとは「同窓会支部巡回講演会」として、40年以上続いてきた取り組み。恩師の講演を聞きたい、あるいは、大学の現状について知りたいという各支部の要望に応じて、毎年、大学と支部の懇談会(支部総会)を兼ねて実施されていた。講演には市民が招かれることもあったが、あくまで大学と同窓会支部との情報交換と親睦を第一義としていた。
2009年、支部総会と同時に開催される講演会を「大谷大学と同窓会による社会貢献」と位置付け、市民への公開を前提とした「全国縦断夏季八十講」(以下、八十講)にリニューアルした。2009年、大学は7月上旬から9月上旬にかけて、全国69会場に教員を派遣した。同窓会各支部は企画・広報・運営を担当する。企画推進委員会委員の織田顕祐教授は、「大学を通じて社会に貢献するという同窓会の使命を、支部の方々に再確認していただくよい機会にしていきたい」と考えている。
講演のテーマも、これまでは教員に一任していたが、2009年は「日常と学問をつなぐ」という統一テーマを設定し、より市民に身近なものになるよう配慮した。 |