学士課程教育体系化のステップ

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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体系化を推進するための組織体制づくり

 こうした取り組みを進める主体は誰か。一部の担当者のみで進めることも可能だろうが、やはり学部教員、学部教育責任者、全学教育担当管理者(教育担当理事・副学長)、全学FD担当者(高等教育センター等教職員)の4つのアクターが関与して全学的に進めることが望ましい。愛媛大学では前述の通り、2007年度からの3年間に「学士課程教育の体系化」をテーマにした教育コーディネーター研修会(全13回)を通して、本取り組みを進めてきた。
 教育コーディネーターは学部・学科の教育責任者として、教育方針の立案、カリキュラムの編成、教育内容・教授法の改善、教育効果の検証などを担う「教育重点型教員」である。学科や教育コースごとに最低1人が配置され、68人(2010年2月現在)がその任に当たっている。本取り組みにおいても、学部・学科の方針の策定、学部・学科教員の意向と全学の方針とのすり合わせを行うキーパーソンである。
 また、研修の企画を担当する教育企画室は、高等教育開発の専門家で構成されている。教育・学生支援機構長(教育担当理事)の補佐組織であり、全学的な教育改革に関与している。機構長のリーダーシップの下に、全学と学部との双方向的で建設的な議論を通して、一連の作業は進められた。


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