特集 「自立する高校生」をどう育てるのか
VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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教師同士の連携によって挫折から立ち直らせる

  同校の生徒にとっては、挫折も自立へ向けた第一歩になる。3学年主任の高橋康幸先生は、「中学時代は学年で1、2番の成績だった生徒が、本校に入学した途端に300番台になることもあります。その挫折を克服し、 い上がっていく経験を通して自立する生徒もいます」と話す。
 同校は「総合的な学習の時間」に「知のフロンティア」(図2)というテーマ学習を行う。自分の興味・関心に沿ったテーマについて調査研究を行い、1年間の成果を論文にまとめる。友だちの優れた論文に接し、発奮する生徒も少なくない。
 1学年主任の丸山正先生は、「『知のフロンティア』は、生徒の自主性に任されています。熱意を持って取り組むか、1年間ほとんど何もせず、最後に内容を適当にまとめて完成させるかは、生徒のやる気次第。大学生顔負けの級友の論文を見て、自分のふがいなさを痛感し、次年度の研究に向けて意欲を燃やす生徒もいます」と話す。
 挫折から立ち直らせるには、教師同士の連携が欠かせない。学年団はもちろん、担任と部活顧問、教科担当、進路指導部らが情報を共有して生徒の状況を把握し、フォローするためのネットワークを張りめぐらす。悩んでいる生徒、つまずいている生徒がいれば、複数の教師が働きかけ、あるときは叱咤激励し、あるときは生徒と共に解決の方策を探る。
図2

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