特集 「大学入試分析」を生かす

山形県立山形南高校

◎旧制中学の伝統を引き継ぐ進学校。制度上は共学だが、戦後の一時期を除き在籍するのは男子のみ。「創造的知性」「たくましく健全な心身」など4つの教育目標を掲げる。「文武両道」を校是とし、2008年度は全国大会に11の部(東北大会に14の部)が出場した。

設立●高校:1941(昭和16)年

形態●全日制/普通科・理数科/共学

生徒数(1学年)●280名

09年度入試合格実績(現浪計)●09年度入試合格実績(現浪計) 国公立大は、山形大49人、東北大26人、新潟大18人、埼玉大11人など計174人が合格。私立大は、明治大、法政大、東京理科大、早稲田大などに延べ289人が合格。

住所●〒990-0034 山形県山形市東原町4-6-16

TEL●023-622-3350

WEB PAGE●http://www.
yamanan-h.ed.jp/

VIEW21[高校版] 新しい進路指導のパートナー
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【学校事例1】山形県立山形南高校

低学年時からの学力と
大学入試結果との関連を探り、指導に生かす

山形県立山形南高校は、2009年度入試において、東北大に前年度の2倍となる26人が現役合格した。
背景には、この学年の入学時から、東北大に照準を合わせた指導の積み重ねがあった。
同校は今、この成績推移と指導との関係を分析し、今後の指導への生かし方を模索している。

東北大合格者数が倍増した

 山形県立山形南高校では2009年度入試実績に大きな変化が見られた。国公立大の現役合格者は例年並みの163人だったが、その内訳が変わった。東北大に前年度13人の2倍の26人が合格したのだ。
 同校では、センター試験後、志望校の出題傾向と本人の学力を考慮しながら、一人ひとりの合格可能性を分析している。09年度入試では、センター試験の5教科6科目型の平均点が前年度より20点ほど下がった。しかし、同校では約10点減にとどまり、このことが東北大出願を貫く生徒と教師の姿勢を支えた。当該学年を1年生から担任をしてきた進路指導部の遠藤淳一先生は、 「この学年は、センター試験よりも個別学力試験対策を重視して指導してきました。それでも、センター試験で例年並みの結果が出た。CやD判定でも合格は十分可能だと考えました」と話す。
 C判定でも、模試の実績から合格可能性が高いと判断できる生徒もいれば、B判定でも成績に波のある生徒もいて、センター試験後もきめ細かく指導した。そして予想通り、東北大合格者が過去最高となったのだ。同校はこの躍進を今後の指導に生かすため、当該学年の1年生時からの学力を分析した。進路指導主事の森政行先生は次のように説明する。
 「09年度の東北大入試は、例年と比べて数学が易しく、古典が難化していました。結果として、数学と国語では差がつきにくく、恐らく英語が合否を分けたと分析しています。今までは、合否の鍵を握る教科は数学で、それを意識して1年生時から数学を軸に指導してきました。そこで、改めて入学時からの指導と成績推移などのデータを分析し、効果的な取り組みは何かを確かめました」

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