特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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最大の理解者と位置付け交流・協力を強化 〜卒業生との関係〜

 立命館大学は、卒業生とのコミュニケーション強化と協力関係の構築にもいち早く取り組んだ。従来、多くの大学は卒業生には関心がなく、同窓会・校友会と積極的に交流を図ることもなかった。薬師寺副学長は、「大学のことを最も理解しているのは4年間学んだ卒業生。本学には累積28万人以上の卒業生がいる。ネットワークの力を借りて本学の良さを社会に伝えていきたい」と話す。
 立命館大学では20年前、入学時などに大学が校友会費を代行徴収するシステムを導入、校友会の事務作業の軽減と財政安定を図った。校友会の支部だった都道府県組織が独立した校友会として再編された際は、会長や役員の候補者への就任要請に学園執行部が積極的に協力している。卒業式に「校友会入会式」を組み込んでいるのも、校友会改革の一環だ。「立命館生としての日々が終わり、今日からは校友としての生活がスタートする」というメッセージを込めて、入会案内を配っている。
 また、転居や転職によって消息不明になりがちな卒業生の追跡にも力を入れる。現在では28万人のうち20万人の住所を把握し、校友会報『りつめい』を送付。大学のホームページに卒業生専用サイトを設け、メール転送サービスも始めた。卒業生同士、大学と卒業生との交流に力を入れている。  校友会事務局の志垣陽事務局長は、「卒業生を組織化するには、在学中から校友としての誇りと自覚を持ってもらうことが大事。『母校はいつも後ろからあなたを応援している』ということを伝え、立命館ファミリーであるという気持ちを持ってくれる校友を増やしたい」と述べる。


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