特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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【大学事例 1】

ブランディングのセカンドステージで
マークに込めた理念を教育に反映

武蔵野大学

「ブランド構築プロジェクト」で一定の成果を上げた武蔵野大学が、次の展開に動き出した。教育理念や大学独自の価値を教育・業務に反映させる「ブランド展開プロジェクト」で、ブランドのさらなる浸透を図ろうとしている。取り組みの継続・発展を支える原動力はどこにあるのだろうか。

「ロゴやマークを作るだけでは真のブランドにならない」

 大学のブランディングと聞いて、大学関係者がまず思い浮かべるのは、ロゴの作成、ブランドカラーの統一といった「大学のイメージ」に関わるものではないだろうか。2003年にスタートした武蔵野大学の「ブランド構築プロジェクト」は、そうしたブランディングの先駆的試みだった。教育理念や伝統、教育資産といったブランドの構成要素を洗い出し、「武蔵野大学らしさ」を表すブランドロゴ、教育理念に裏付けられたステートメント(スローガン)を打ち出したことは、記憶に新しい。
 武蔵野大学のブランディングの特色は、ロゴの作成にとどまらず、そこに込められた理念を、きちんと教育活動に反映させようとしている点にある。齋藤諦淳学長は、「ロゴやブランドマークを作るだけでは、真の意味でのブランド力にはならない。有名なブランドの製品が消費者の信頼を得ているのは、ロゴが良いからではなく、そのロゴを見てイメージする製品の質が高いからだ。ブランド構築で確認した理念を実際の教育や業務に反映させてこそ、真のブランドを確立できる」と強調する。
 2004年1月から始まった「ブランド展開プロジェクト」は、まさにこうした考えに基づく取り組みだ。まず、同プロジェクト発足までの経緯を簡単に振り返ってみたい。

写真

ブランドロゴは、広報のポスタ−、大学グッズなど、あらゆる場面で活用されている

 


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