特集 志望校はこう選ばれている

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学のPR色を排した「進路選択導入本」も配布

 大学全入時代を迎え、大学が入試によって受験生を選ぶというより、受験生が大学を選ぶ状況へと変化している。大学は、受験生や高校に対して、選んでもらうために必要な情報を、適切な時期に提供していかなければならない。
 この観点から、本学は広報で最も重要なターゲットは高校の進路指導部だと考えた。名古屋以西の高校の進学状況について、進学情報誌や週刊誌、地元の予備校などから情報を集め、次の視点で分析した。

(1)本学への志願・合格・入学実績
(2)中学からの進学状況データによる高校の難易度
(3)高校ごとの進学状況の経年比較
(4)地域の進路指導の特徴


 この分析結果を踏まえ、進路指導のスケジュールに沿って高校訪問を3期に分け、訪問目的を明確にして配布資料も絞り込んだ。志願者の多い高校を中心に年間延べ600校訪問している。

第1期6月〜7月:大学案内を持参して説明(名古屋以西)
第2期10月〜12月:入試要項を持参(名古屋以西)
第3期1月:一般入試志願状況についての説明(近畿地区重点訪問)

 特に第1期は重要で、的確な生徒指導に役立ててもらうため、進路指導部用に入試制度を要約した冊子「龍谷大学入試ガイド2007 入試まるわかり本」を作成している(図2B)。
 高校生に対しては、3月のオープンキャンパスで「学問分野がわかる本」を配布している(図2C)。多くが、高3の1学期から志望大学・学部を具体的に検討し始めることを踏まえ、入試対策や学部学科選択に役立つ情報を提供し、漠然とした学部選択のイメージをより具体化してもらうことを狙いとしている。この冊子は、高校生、保護者に大学入試を考えてもらう「場」の提供を目的に、龍谷大学の広報的要素はできるだけ排除している。他大学の情報に加え、本学の設置学部以外にも、多様な学問分野を網羅的に掲載している。
 これからも、高校生が、大学や学部を知り、目標に向かうための糧となり得る情報を発信していきたい。

図表


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