中村学園大学は、福岡市のほぼ中心部の城南区にある共学の大学だ。学園は創立52年で、大学にも41年の歴史がある。大学の規模は中と小の間くらいで、栄養科学部、人間発達学部、流通科学部の3学部を擁する。入学定員590人、3年次編入学定員50人、収容定員2460人、併設の短大は収容定員980人。大学・短大とも3割が福岡県以外からの入学生だ。
九州地区は、18歳人口の減少率が全国平均に比べて高いにも関わらず、大学・短大進学率が低いという傾向にあり、さらに関東や関西の大学の進出が目覚ましい。このような厳しい環境の中、本学は志願者がほぼ右肩上がりの状況で(図1)、偏差値も上昇を続けている。2005年度に志願者が大きく伸びているのは、センター試験利用入試の導入によるものだ。高校側からの強い要望があり、学内で検討の上、導入に踏み切った。この経緯を高校に伝えたところ、一般入試の志願者も増えるという相乗効果を生みだした。後述する「クライアントニーズの具現化」のたまものだ。
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