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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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サイエンス・カフェで、市民との交流を深める

 2005年8月から月1回、仙台市内で開催する「サイエンス・カフェ」は、東北大学のファン獲得を目的にした、理系学部全体による取り組み。教員が市民と語り合い、最先端のサイエンスを身近に感じてもらおうというわけだ。「かつての大学は教育や研究が中心で、地域との交流に対する意識は薄かった。大学の研究について知ってもらう上で、サイエンス・カフェは欠かせない取り組み」と中橋教授。
 学生や会社員でも気軽に立ち寄れるようにと、基本的に平日の午後6時頃からオープン。予約は不要、参加費も無料だ。参加者の多くは大学生や中高生で、毎回100人前後が詰めかける。
 教員による最新の研究成果を紹介した後、いくつかのテーブルに分かれて教員や学生が参加者と歓談、最後に質疑に答える。テーマは、ナノテクやプラズマエンジンといった工学分野から、機能性食品、エネルギーといった農学、環境学の分野まで多岐にわたる。会場で答えられなかった質問には、ウェブサイト上で回答する。
 当日の様子は毎回録画し、地元のケーブルテレビで放映するほか、地元紙のウェブサイトでも特集が組まれている。多様なメディアを通じて、参加者だけにとどまらない幅広い層にアピールしていきたいという考えからだ。「工学部の使命は、研究者の学問的な興味を追究するだけでなく、新たな技術を社会に還元していくことにある。豊かな近未来を創造したいというビジョンを持った若者には、最高の舞台となるはずだ。そうした夢やビジョンを提示し、工学に携わる仲間を増やしたい」と中橋教授は述べる。


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