潜在的な進学需要について考えるとき、注目すべきは女子、とりわけ４年制大学への潜在的進学層（一定の条件が整えば大学進学の可能性があるが、実際には進学していない層）である。
　女子の進学率は年々上昇しており、ことに大学志向は強まる一方といえる。ただ、男子の大学進学率が46.5％であるのに対し、女子は37.0％で、いまだ10ポイント近い開きがある。短大に進学する女子を計算に入れればこの開きはほぼ埋め合わされるが、女子の大学志向が強まる中、決してなおざりにできる実態ではなさそうだ。では、どのような女子が大学に進学「しない」のか。

　図１は、中学３年生時の成績（自己評価）別に、高校卒業時の進学状況を示すグラフである。これを見ると、男子は成績が中以下でも約40％が大学に進学している。一方で、同程度の成績の女子だと20％以下で明らかに少ない。男子は、ある程度成績に関わらず進学できる状況に対し、女子には、成績による進路の振り分けがいまだ残っているといっていい。