最も好きな授業は「先生が黒板を使いながら教えてくれる授業」だ。どの偏差値帯の高校でも、ほかを大きく引き離して1位である。
最も人気がない授業は、「考えたり調べたりしたことをいろいろ工夫して発表すること」だ。このタイプの学習は、主に「総合的な学習の時間」で行われると考えられる。なお、別の質問で、この教科を好き(「とても好き」「まあ好き」の合計)と答えた高校生は少なく、11教科中10位だった。好きと答えた比率が最も高かったのは偏差値45以上50未満の高校の生徒だ。
「この層の生徒が『総合的な学習の時間』を好きと答えたのは、この授業をAO入試対策として、調べ学習や小論文・プレゼンテーションの練習に利用するからではないか。本来、小・中学校では、児童・生徒の主体的な学びを促すことを目的としてこの授業が行われているが、高校では進路学習にあてられることが多い。高校でも進路学習で行う調べ学習・発表を通して、小・中学校で培った主体的な学びの姿勢をさらに伸ばしていくことが求められているのではないか」(十河氏)
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