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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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 「第4回学習基本調査」の結果に見られる高校生の変化の原因としてもう1つ、耳塚教授が挙げるのは、メディアとの接触形態の変化である。従来から大学教育で使用されてきた書籍や新聞などの利用頻度が減り、インターネットなどの新しいメディアが利用されるようになった。図2が示すように、「新聞のニュース欄を読む」高校生は1990年調査に比べ23.1ポイントも減少し、半数以下の48.5%になった。一方、図3を見ると、パソコンを利用する機会は、学校でも家庭でも格段に増えていることが分かる。
 「インターネットや携帯電話は自己選択型のメディアで、自分が興味のある情報だけを選んで見ることができる。好きなことだけに興味を示すという今の高校生の気質は、これに起因するのではないだろうか。こうした態度は大学の講義中にも表れており、テレビを見る感覚に近いのではないかと思う。また、どの大学の教員も経験していると思うが、学生のレポートにはインターネットで調べた信憑性のない情報がそのまま引用されていることがある。容易に収集できるインターネット上の都合のよい情報をうのみにして、それをレポートに書いてしまう。情報選別能力がないのは、情報を得るときだけでなく、情報を発信するときにも見られるようだ」(耳塚教授)

図表 図表


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