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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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固まりつつある 初年次教育の概念

 「適応」をスムーズに行うにはどうすればよいのか。その解決策として生まれたのが「初年次教育」だ。高大間の移行問題が早期に起きたアメリカで提唱された、高校から大学への「移行」を円滑に進めるための教育である。しかし、「日本では『導入教育』や『1年次教育』などと用語が混乱して使われているようだ」と濱名学長は言う。
 「初年次教育は、“First Year Experience”を日本語にしたものだ。高校から大学への移行は発達課題として非常に重要で、ここでつまずくと深刻な状態になるという問題意識に基づいて組み立てられた概念である。これに対し、導入教育には、到達すべき学習目標があらかじめ決まっているという前提が必要となる。例えば、医・歯・薬学部などのように、国家資格取得という目標があり、専門教育の修得に向けてほぼコースが決まっているという前提の概念だ。しかし、多くの人文・社会科学系の学部では、それほど明確な目標があるとはいえず、導入教育だけでは十分に対応できない可能性がある。その意味では、導入教育はあくまでも初年次教育の一部といえる」


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