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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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「知り合いができる」入学前教育の効果

 関西国際大学が行っている初年次教育は、「入学前教育」「フレッシュマンウィーク」「学習技術」「キャリアプランニング」の4種類に大別され(次ページ図4)、前述の3つの内容がすべて含まれている。
 1998年の開学と同時に、日本で初めて、大学の機関として「学習支援センター」を設置した。この学習支援の取り組みは2004年度の特色GPに採択され、さらに2006年度には「初年次教育の総合化と学士課程教育への展開」の取り組みも特色GPに採択されるなど、同大学の初年次教育に対する評価は高い。
 同大学の「入学前教育」は2004年に導入された。希望者は入学前からキャンパスに通う。
 「交通費を払ってまで来るだろうか、という疑問の声も学内にはあった。しかし、参加者には非常に好評で、現在の参加率は約55%に達している。入学式までに知り合いや顔見知りができるため、人間関係づくりの第一歩になる効果もある」
 入学前教育の中で「タイムマネジメント」と「スタディスキルズ」は必須項目である。
 「タイムマネジメントでは、生活のリズムと時間の使い方を分析して、生産性の高い時間に優先順位の高い活動を行うことを学ばせる。社会で不可欠なスキルの一端に触れてもらうプログラムだ。スタディスキルズは、本学の大きな特色の一つであり、大学教育を受ける上で必要な、学びの技術を身に付けさせるプログラムとなる。内容にはかなり自信がある」
 入学の決まった学生同士が入学前に出会うことで、新しい学びや環境に対する不安を小さくし、期待を大きくするという点が、関西国際大学の入学前教育の特徴であり、成功している要因だといえるだろう。


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