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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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産学連携を円滑にするSNSの効果

  産学連携を円滑化するためのICTの活用も見逃せない。特徴的なのは、SNS(Social Networking Service)の活用だ。「企業との連絡においてSNSが果たす役割は大きい」と、福間専任講師は話す。
 「学生が調査や分析を進めるに従い、各社への質問が出てくるが、学生が頻繁に訪問していては双方にとって時間的・物理的なロスは大きい。企業の担当者の業務に支障を来さないようにするために、学生は質問をSNSに書き込み、担当者が時間の余裕を見て回答するという仕組みを整えた」
 横のつながりを構築しやすいというSNSのメリットも生かされている。学生は自分専用のページを持ち、ゼミや担当する企業など、各自が様々な単位のコミュニティの中で自由に意見を交換する。ほかのチームでどのような意見が交わされているのかを知るのも容易であり、学生の書き込みに対して教員や企業の担当者がアドバイスを書き込むこともできる(写真3)。

図表
写真3:学生からの企業への質問等に活用されるSNSのトップ画面。SNS内では様々なコミュニティがつくられ、情報交換が行われる(写真は開発中のデモ画面)

 武蔵大学は、このSNSを将来的に広報活動にも生かしたい考えだ。企業、高校の教職員、受験生や保護者がSNSにアクセスしてきた場合、「招待状」を送って活動内容をリアルタイムで見てもらおうと計画している。
 「学生が何を考え、何に悩み、どのように成長していくのか。その過程が記録されるSNSは、本学の教育内容をリアルタイムに伝えるには最適な媒体だろう。学生の活動内容の紹介には自信があり、本学に関心を寄せてくれた人に見てもらうことで、実りの大きい広報になるはず」と、福間専任講師は話す。


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