企画2

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 8/12 前ページ 次ページ

「地域に開かれた大学」という大学文化を根付かせる

 「地域の大学に対するニーズは高いものの、そのニーズを大学が整理しき れず、応え切れていない面がある」と大歳教授は語る。この課題を解決するため、2006年に「地域共創センター」を設立した。同大学の教育研究の成果を地域に還元しながら、まちづくりや地域課題の解決、地域の活性化を地域とともに推進するための活動拠点である。ウエブサイトやニュースレターなどで積極的に情報発信も行う。
 同センターのスタッフは、「これまでは、地域からの要請を受ける窓口が統一されておらず、大学のどこに行けばよいのか分からないという声が多かった。当センターは地域と大学の橋渡し役として、地域のニーズを整理し、学生と市民の交流が密に図れるような場を提供していきたい。また、これまでは地域の人々からの発信が多かったが、これからは学生や大学からも、まちづくりについての情報を積極的に発信していきたい」と話す。
 2006年9月からは、大学と地域の連携を深めるため「市民交流ミーティング」を始めた。「市民と大学が共創する活動はまちづくりにどのように貢献できるか」「公翔祭07――市民と考える大学祭」などをテーマに、学生と教員、職員、一般市民、市民グループ、行政関係者などが活発な討論を重ねる。ミーティングの内容は、「地域共創センター」のホームページで発信されている。
 2007年5月には「さかた街なかキャンパス」に「まちなか未来研究室」がオープンした。大学での研究成果を地域に還元する場として、さらに重要な位置を占めることになる。
 「これからの大学は、地域の協力なくしては運営が難しい。大学の知を生かした地域貢献など、地域といかに有機的につながっていくかが重要になる。今後は、これまで培ってきた『地域に開かれた大学』という文化をしっかり根付かせていくとともに、その先駆的な大学としてノウハウを構築していきたい」と、大歳教授と澤邉准教授は展望を語った。

図表

写真3 「さかた街なかキャンパス」に新たに設置した「まちなか未来研究室」では、大学の研究成果を地域へ還元するなど、教育・研究分野でも地域とのつながりを強めている

  PAGE 8/12 前ページ 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ