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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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「ロードマップ」を作成し具体的な教育効果を検証

 同プログラムには、これまでの改革に加え、「アウトカム(測定可能な到達目標)」という概念が取り入れられた。
 吉岡教授は、「優れたカリキュラムをクリアするだけで、自動的に望ましい女性医師が育つのかという議論があった。そこで、最終的な目標にどれだけ到達しているかを常に評価できるシステムを構築することにした」と語る。

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「医のこころを実践する力を育むカリキュラム」で設定されたアウトカム。「医の実践力」だけではなく、「こころの実践力」を養成することにも重点が置かれている。

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 同大学では、最終的な望ましい女性医師像をアウトカムとしてモデル化(図1)。このアウトカムモデルには、「患者を理解する力・支持する気持ち」「診断・治療・予防を行う力」など、12の要素が盛り込まれ、要素ごとに到達度が測定される。学年が上がるたびに積み上げていくブロック教育ごとの評価を横軸とすれば、全学年のすべての教育を縦に貫いているのがアウトカムだ(図2)。
 具体的な評価は、下表のような「ロードマップ」によって行われる。12の要素ごとに最終的な目標に至るまでの段階別の能力を示したもので、各段階を適用する時期と測定する手段が明記されている。在学中だけでなく、卒業後に実施される後期研修の段階あたりまで利用できる。順次策定されるロードマップは2010年から実施される予定だ。

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