特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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脱偏差値型大学選びを促す可能性

 同様のことが教育力全般について実現すれば、偏差値やブランドイメージといった、教育機関としての「実力」とは必ずしもリンクしない指標によって大学・学部を選ぶ受験生は減ると考えられる。社会で通用する本当の実力を学生に身に付けさせるため、本気で取り組み、成果を挙げている大学・学部を選ぶ方向に、着実に変わっていくであろう。
 情報開示による「教育力の強化」を実現しようとするなら、現在例示されている項目だけでは不十分である。いわゆるインプット情報(教育課程の目的や教員・学生比率など)に偏り過ぎ、アウトプット情報(学生にどれだけの力がついたかなど)が、極めて少ないからである。
 今後の検討を通じて、「実力」のない大学が、こうした「実績」を示す情報の公表に、さまざまな理由を挙げて反対することが予想される。しかし、中教審、文部科学省は、国際標準の大学教育を実現し、教育改革に努力している大学とそうでない大学とが、識別しやすくなるよう、そうした反対、消極論を排し、勇気を持って「実効性ある情報開示」を実現してほしい。


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