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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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図表2:自己点検・評価で重視した目的と目的の達成状況

 図表2では、自己点検・評価の目的とその達成状況について、「非常に重視した目的」と「非常に達成した目的」の比率を見た。自己点検・評価の目的として「非常に重視」との回答が多いのは「教育活動の改善」で、68.9%と突出。以下、大きく離れて「認証評価の準備」「研究活動の改善」と続く。「教育活動の改善」は、「やや重視」まで含めると98.0%であり、自己点検・評価の最重要目的といえる。しかし、それを「非常に達成した」とするのはわずか14.0%であり、最も高いのは「認証評価の準備」(29.2%)であった。この結果は、自己点検・評価を活用して効果的な教学改善を進める難しさを、明瞭に物語っている。

図表3:自己点検・評価の活用

 では、大学は自己点検・評価の結果を、将来の計画にうまく活用できているだろうか。図表3の学部の自己点検・評価の活用状況を見ると、学部の中長期計画、年度事業計画への反映は「とてもあてはまる」がいずれも20%台で、「ややあてはまる」がいずれも50%台だった。「とてもあてはまる」割合が低いところを見ると、現段階では、自己点検・評価の結果を次の活動プランに十分に生かせているとは言い難い。また、学部を超えて全学の中長期計画、年度事業計画に反映している割合は、「とてもあてはまる」がいずれも10%台とさらに低い。大学全体を対象とした自己点検・評価結果の学部における活用も同様で、大学と学部の間での相互の活用はまだ途上にあるといえる。
 自己点検・評価結果の将来計画への活用は、大学のPDCAサイクルを「回す」ということである。これは、中教審でも議論されている内部質保証のしくみであり、第2期認証評価のポイントとして想定されている。大学運営の重要課題であり、今後の取り組み強化が期待される。


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